住宅改修の方法 4 トイレ
トイレは一日のうちに何回も入るところです。自立して排泄行為が行えるようにトイレを改善することは、自尊心の保持につながります。トイレ内での動作が安全に行えること、また寝室や日中長く居る部屋からトイレまでの行き来がしやすいことが大切です。夜間にトイレに行かれる場合にも、足元灯(フットライト)の設置や段差につまづかない配慮が必要です。また新築の場合は、車椅子での動作スペースや介助スペースも考慮に入れた広さを確保しておきましょう。
1.手すりの取り付け
トイレの手すりは、基本的にはトイレの形状やお体の状態によって必要な箇所がひとりひとり違ってきますが、参考に安全に配慮して必要と思われる箇所をご紹介します。以下を検討してみて、使われる方がどれが必要かを確認してみるのも1つの方法です。
- トイレの出入り口に段差がある場合など、安定してつかまって出入りの動作を行うための縦手すり
- 出入り口から便器まで移動する時に転倒しないためにつかまって移動する横手すり
- 便器に腰を下ろす、立ち上がる時に安定してつかまるための縦手すり
- 便器に座っているときに、安定して座っているための横手すり
- 3と4を組み合わせて、L型手すりを取り付けるのも有効です。
また、車椅子からの乗り移りや介助を行うときにジャマにならないようにするためと、片側に麻痺がある方や身体のバランスを取りにくい方の場合は、便器を囲むような形状のトイレ用手すりを設置すると便利です。はね上げ式のものもあり介助や掃除の際にも役立ちます。
2.段差の解消
廊下とトイレ内の床段差をなくして歩行での移動や、車椅子などでの移動を安全に行えるように改善します。床段差の解消には、コンクリートで段差を埋めるなどの工事を行う方法と、すのこなど福祉用具を使う方法があります。
3.扉の取替え
出入り口の有効開口(扉の厚みを引いた幅)が狭くて通りづらい、また出入り口の扉が開き戸や折れ戸で車椅子での移動や介助者が一緒に入って動作するのが難しい、などの場合は、扉の取替え(例えば開き戸から引き戸、折れ戸など)を行う方法があります。
また、開き戸から引き戸に変更したいけれど十分なスペースが取れない場合、引き込み戸という商品が出ています。引き戸を開く時のように、身体をほとんど動かさずに開く事が出来てトイレ内に引き込む形の扉です。便利ですが、比較的金額が高い点と、扉を引き込む側の壁には手すりが取り付けられないというマイナス点もあります。
4.床材の変更
段差解消工事の際に、コンクリートやタイルの床材から、クッションフロアに変更する方が多いです。コンクリートやタイルは冷たく、排泄物で汚れた際に臭いが目地に吸着しやすく、硬いので転倒時に危険という面があります。クッションフロアだと、やわらかく暖かみもあるので転倒時も衝撃が少ない点と、洗い流さず拭き掃除でよいという点で安心、安全と言えます。
5.便器の交換
和式便器での動作が困難になった場合、洋式便器に交換します。(※介護保険対象工事)またすでに洋式便器を設置していて使い勝手が悪くなった場合は、形状や高さの違う洋式便器に新規交換したり(※介護保険対象工事外)、補高便座の取付や、かさ上げ工事を行う方法があります。
また便器の上に設置して、立ち座りの動作が困難な方(例えば、膝や股関節に疾患のある方、リウマチの方など)の動作を補助する便座昇降装置もあります。
非水洗トイレ(汲み取り)の場合、下水道工事が出来なくても簡易水洗トイレを設置すれば水洗トイレのように使えます。

左が改修前、右が簡易水洗トイレ改修後。
6.その他
暖房設備
高齢の方や障害によっては、排泄に時間がかかる場合が多くあります。高齢の方が冷え切ったトイレで心臓発作を起こすケースもあります。出来るだけ、トイレ内には暖房便座、室内暖房などの配慮をすることが望ましいです。
- あくまで基本的な改修方法の例ですので、すべてがこのページの方法でよいとは限りません。住宅改修を検討する際には「住まい Q&A」もあわせてご覧ください。
なお、トイレでの排泄が困難な場合には、「おしりまわり」のページにお体の状態に合わせた排泄用具が紹介されていますので、そちらをご覧ください。





